はじめに
中学入試の理科「物理分野」は、多くの受験生がつまずく山場です。
理由はシンプル。**「公式を覚えるだけで終わってしまう」**からです。
でも本当の得点力は、
👉「現象をイメージできる」
👉「なぜそうなるかを説明できる」
この2つを理解することから生まれます。
この記事では、理系講師歴10年以上の筆者が、入試で絶対に押さえておくべき良問10選を「わかりやすい図解つき」で丁寧に解説します。
問題はすべて、実際の入試過去問や模試傾向に基づいて再構成したものです。
【第1章】力のつりあいと仕事 〜てこ・滑車・ばねの基本〜
🧩問題1:てこのつりあい(基礎)
支点からの距離が2倍になると、力はどう変化する?
下のようなてこがあります。
左におもりA(重さ2N)、右におもりB(重さ?)をのせてつりあっています。
Aは支点から40cm、Bは支点から20cmのところにあります。
Bのおもりの重さは何Nでしょうか?
✅解答・解説
てこのつりあいの条件は 力×腕の長さ=力×腕の長さ
したがって 2N×40cm=x×20cm
よって x=4Nx = 4Nx=4N
つまり、支点からの距離が半分になれば、力は2倍必要になります。
🧠 考え方のポイント:
てこは「支点を中心に回すイメージ」を絵で描かせると定着します。
左右に「回す向きの矢印(時計回り・反時計回り)」を入れると◎。
🧩問題2:動滑車のつりあい
重さ10Nの物体を、動滑車を使って持ち上げます。
このとき、ロープの自由端にかける力は何Nになりますか?(動滑車1つ)
✅解答・解説
動滑車1つの場合、2本のロープが重さを支える。
したがって、1本あたりにかかる力は半分です。 10N÷2=5N10N ÷ 2 = 5N10N÷2=5N
🧭 解法のコツ:
「ロープの数=分け合う人数」とイメージすると覚えやすい。
動滑車2個なら4本 → 1/4の力です。
🧩問題3:ばねののびとフックの法則
ばねに100gのおもりをつるしたら2cmのびました。
200gにすると何cmのびるでしょうか?
(重力加速度は1/100N/gとします)
✅解答・解説
フックの法則: ばねののび∝力 (ばねの伸びと力は比例の関係)
100g → 1N
200g → 2N
したがって、のびは2倍になります。 2cm×2=4cm2cm \times 2 = 4cm2cm×2=4cm
🧠 補足:比例関係のグラフを描く練習をさせましょう。
原点を通る直線=比例、という図が頭にあると強いです。
【第2章】光と音の現象 〜作図・反射・屈折〜
🧩問題4:鏡の反射角
鏡に光を当てたところ、入射角が30°でした。
反射角は何°ですか?
✅解答・解説
光の反射の法則: 入射角=反射角入射角 = 反射角入射角=反射角
したがって、反射角は30°。
💡 イメージ図:

「鏡に垂直な線(法線)」を描く → 入射角・反射角を対称に描く。
角度の定義が理解できれば間違えません。
🧩問題5:凸レンズの作図(基礎)
物体を焦点距離2倍の位置に置いたとき、できる像の特徴を答えなさい。
✅解答・解説
答え
像も2fの位置にでき、実像で上下が逆。
📘 イメージ:

「光の3本線」ルールを覚えよう
- レンズの中心を通る光 → まっすぐ
- 主軸に平行な光 → 焦点を通る
- 焦点を通る光 → 主軸に平行
作図をすると見えてくるので作図の仕方は必ず覚えておきましょう!
🧩問題6:音の速さの計算
音が340m/sで進むとき、1秒間に何m進むでしょうか?
また、1/10秒で進む距離は?
✅解答・解説
1秒 → 340m
1/10秒 → 340÷10=34m340 ÷ 10 = 34m340÷10=34m
📘 発展:
「距離 = 速さ × 時間」を使う基礎式。
波の伝わり方や反響の問題に応用できます。
【第3章】電気と磁気 〜回路・電流・発熱〜
🧩問題7:直列回路の電流と電圧
2Ωと3Ωの抵抗を直列につなぎ、電源は10Vとします。
流れる電流は何Aですか?
✅解答・解説
直列回路では、電流は一定・抵抗は合計。 並列回路では電圧は一定・抵抗は1/R=1/R1+1/R2
R=2+3=5ΩR = 2 + 3 = 5ΩR=2+3=5Ω I=V/R=10/5=2AI = V / R = 10 / 5 = 2AI=V/R=10/5=2A
🧩問題8:発熱量の計算
抵抗10Ωに2Aの電流を5分間流しました。
発熱量(J)は?
✅解答・解説
公式:J(ジュール)=W(ワット)×S(秒)
Wを出すためにVを計算します。
V=2A×10Ω V=20
Wを計算します。 W=2A×20V W=40W
ここでいよいよJの計算をします。 5分は300秒なので
J=40W×300 よって答えは12000Jとなります。
【第4章】熱と状態変化 〜比熱とグラフ〜
🧩問題9:比熱の計算
200gの水を20℃から30℃に上げるのに必要な熱量は?
(比熱=4.2 J/g℃)
✅解答・解説
まずは条件を整理してみましょう。このような問題は条件を一つずつ合わせていくと簡単に解けるようになります。
今回は水1gを1℃温度を上げるためには4.2J必要だという条件にすり合わせてみましょう。
水の量が1gではなく200gなので必要な熱量(J)は200倍必要になります。 4.2×200=840J
これで200gの水が1℃あげるのに必要なエネルギーが分かりました。
次にあげる温度が1℃ではなく10℃ですので必要なエネルギーが10倍必要になります。 840J×10=8400J
これで200gの水を20℃から30℃に上げるのに必要な熱量は8400Jだと分かります。
一応これを公式に当てはめると
求めたいエネルギー量=比熱(4.2J/g℃)×水の量×上がる温度
一応これで求めることはできますが比熱の数字など条件はきちんと確認して当てはめるようにしましょう。
🧩問題10:氷の状態変化のグラフ
氷を熱したとき、温度がしばらく上がらない時間があります。
このとき何が起こっているでしょうか?
✅解答・解説
温度が変化しない=状態変化(融解)中。
熱エネルギーは温度上昇ではなく、「氷を水に変える」ために使われています。
状態変化中は温度が上がらないことは覚えておこう!
🧠 グラフのコツ:
「温度一定部分が横ばい」→ 状態変化。
中学入試で頻出です。
🎯まとめ:中学入試物理は“図で考える”と得点できる!
- 公式を覚える前に、現象を絵で描く
- 「力・光・電気・熱」すべてに共通するのはエネルギーのやりとり
- 計算よりも、「どんな現象が起きているか」を説明できるように!
📚 次のステップ(おすすめ勉強法)
- 苦手単元は 1日1問×図で解く練習
- 家では、スマホで「てこ 実験」「レンズ 作図」など動画で補強
- 模試では「どの法則を使うか」を10秒で判断できるように練習!
物理は繰り返し説くことでだんだんわかるようになってきます!一つずつできるを増やしていきましょう!